はじめての海外、はじめての挑戦
大学2年生の夏、私はアメリカの小さな田舎町にある大学へ3か月間の短期留学をしました。英語は中学から学んでいたはずなのに、実際にネイティブと話すとなると何も言葉が出てきません。初日のオリエンテーションで「How are you?」と聞かれただけで頭が真っ白になったのを今でも覚えています。
それでも、なんとか食堂で注文したハンバーガーを手にしたとき、私は小さな達成感を感じました。英語が流暢に話せなくても、自分の言葉で伝え、相手に理解してもらう喜びを初めて体験した瞬間でした。
言葉の壁の先にあったもの
留学生活で一番印象に残っているのは、ある授業での出来事です。「文化の多様性」をテーマにしたディスカッションで、私は日本の働き方や家族の価値観について話す機会がありました。緊張しながらも、ゆっくりと自分の意見を伝えたところ、クラスメートが興味津々で質問をしてくれたのです。
そのとき気づいたのは、「完璧な英語」よりも「伝えたい思い」が重要だということでした。相手に伝える努力をすれば、言葉の壁は乗り越えられる。自分の文化や考え方を共有することが、異文化理解の第一歩になるのだと感じました。
人生を変えた友人との出会い
留学中、私は地元の学生だけでなく、世界中から来た留学生と友達になることができました。特に仲良くなった韓国から来たスンミとは、互いの国の習慣や文化について夜遅くまで語り合いました。
ある日、「どうしてそんなに頑張るの?」と聞かれた私は、「自分に自信を持ちたいから」と答えました。その言葉を聞いたスンミは、「私もそうだよ」と笑っていました。国も背景も違うのに、同じような気持ちで新しい挑戦をしている仲間がいる。それが私にとってどれだけ励みになったか分かりません。
留学が教えてくれたこと
留学を終えて帰国した私には、大きな変化がありました。それは、失敗を恐れずに挑戦する姿勢です。英語で話すことも、初めての環境に飛び込むことも、最初は怖かった。でも、その恐怖を乗り越えるたびに、私は少しずつ成長することができました。
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。孤独を感じたり、文化の違いに戸惑ったりすることもありました。でも、それすらも今では大切な経験です。
あなたも新しい世界へ
留学は、単なる語学学習ではありません。それは、新しい文化や価値観に触れ、自分自身を見つめ直す旅です。もし少しでも「行ってみたい」と思うなら、その気持ちを大切にしてください。きっと、あなたにとっても特別な経験になるはずです。
「今の自分を変えたい」「新しい世界を見たい」と思ったとき、それがあなたの挑戦の始まりです。
はじめての「英語で注文」にドキドキ
留学1週間目のこと。カフェに入って、ドリンクを注文しようとカウンターに向かいました。でも、頭の中はぐちゃぐちゃ。メニューは読めても、発音が正しいのか不安で、店員さんの前で固まってしまいました。
意を決して「One coffee, please」と言うと、店員さんがにっこり笑って「Hot or iced?」と聞いてきます。それすらも聞き取れず、「え?」と聞き返してしまいましたが、店員さんはゆっくり言い直してくれました。なんとか「Hot!」と答えられた瞬間、胸がドキドキするほどの達成感がありました。たった一杯のコーヒーの注文が、まるで大冒険のように感じられたのです。
授業で感じた「失敗してもいいんだ」
ある日のグループワークでは、他の学生たちと一緒にプレゼンの準備をすることに。私が話し始めると、単語を間違えたり文法が変だったりで、思わず「ごめんなさい」と謝ってしまいました。
すると、一人のクラスメートが言いました。
「言い間違いなんて気にしないで!それより、君の意見が聞きたいんだ。」
その言葉にハッとしました。留学に来る前の私は「間違えてはいけない」と思い込んでいました。でも、本当に大事なのは、自分の考えを伝えようとする努力だったんです。その日以来、間違いを恐れず、積極的に発言するようになりました。少しずつ英語で話すことが楽しくなり、自信もついてきました。
ルームメイトとの絆
私のルームメイトはスペイン出身のマリア。お互い母国語が異なるため、最初はジェスチャーや簡単な英語でのやりとりばかりでした。それでも一緒に食事を作ったり、夜遅くまでおしゃべりをしているうちに、自然と心の距離が縮まっていきました。
あるとき、マリアがホームシックになり落ち込んでいました。そんな彼女に日本の「おにぎり」を作ってあげると、涙を浮かべて「ありがとう」と言ってくれました。そのとき、「言葉が違っても心は通じる」ということを強く実感しました。
彼女も私が困ったときは励ましてくれたり、試験前には一緒に勉強してくれたりと、留学生活を支えてくれる大切な存在に。帰国する日にはお互い泣きながらハグを交わしました。
留学で見つけた「自分の強み」
帰国後、私は大きく変わったと感じています。それは英語力だけでなく、自分で決断し、行動する力が身についたことです。異国の地でたくさんの「初めて」を経験したことで、失敗を恐れず挑戦する姿勢が養われました。
例えば、帰国後に外資系企業のインターンに応募する際も、「英語が不安だから無理かも」と悩む自分ではなく、「留学で学んだことを活かしたい!」という前向きな気持ちで挑戦することができました。そして実際にインターンに合格し、海外での経験を活かして働くチャンスを掴むことができました。
あなたも一歩踏み出してみませんか?
留学は決して簡単な道ではありません。言葉の壁や文化の違いに戸惑うことも多いでしょう。でも、それを乗り越えた先には、あなたの想像を超える成長と新しい出会いが待っています。
私が留学を通じて得た経験は、今でも人生の大きな支えとなっています。もし少しでも「自分もやってみたい」と思う気持ちがあるなら、その感情を大切にしてください。留学は、あなたの可能性を広げる最高のチャンスになるはずです。
まずは一歩踏み出してみてください。そこから、あなたの新しい物語が始まります。